2020年10月31日土曜日

日本のスーパーコンピューター 京

 先日YouTubeで視聴して初めて知った日本のスーパーコンピューター京。
今は富嶽を開発中で古い京のCPUを5万円の投資をすればもらえたらしい。
投資した人の動画で初めて知った京のCPU。
UltraSparc+だった。
これは今は無きSun Microsystems社が開発したSPARCチップの最終チップ。
その昔Motororaの68020が32ビットCPUとして各社が採用していた。
このCPUが最速だった。
当然フルカスタムチップで誰もが開発できる代物ではなかった。
しかし、次世代のアイデアが無いことでSun Microsystems社は独自開発することに
 踏み切った。
誰もが勝てるわけなど無いと考えていた。
当時は誰も優位性を示せなかったRISCの手法に目をつけた。
これはインストラクションセットを統一して全てが1サイクルで実行できるようにする手法だった。
当時のシンクタンク、研究所はこぞって実践したが結果を出せなかった。
しかしSun Microsystems社は成功した。
その要因はメモリの集積度だった。
RISCプロセッサーは今でも当たり前だが、当時はCISCしか存在していなかった。
エンジニアはアセンブラでプログラムを組んでいた。
なのでリターン・ツー・ゼロなどのマルチ命令が便利だった。
つまりは1サイクルでは実行を完了できなかった。
この1サイクルで実行することの利便性は並列化だ。
CPUは1サイクルで全ての実行が終了するなら待つ必要がないからだ。

並列化することは、事前に実行したデータ、結果などを保存する場所が必要になる。
それも膨大な量を要するが、それをかつては提供できなかったのだ。
Sun Microsystems社が開発をした時代はメモリの高集積可が可能だった。
結果としてフルカスタムのMC68020をゲートアレイのSPARCチップで演算処理が上回ったのだった。
それからセミカスタムのスタンダードセルのSPARCチップを搭載したハードウェアが
 発売され一斉を風靡した。
同業他社はこぞってRISCチップの開発に着工した。
PA-RISC、PRISM、MIPS、αなど様々なCPUが開発された。
結果としてMotrorra社もMC8800シリーズを販売したが時既に遅しだった。
某I社もI860なるRISCチップを開発したが売れなかった。
しかしPで天下を取ることになる。

Sun Microsystems社はSuper SPARC、64ビット化したULTRA SPARCと
後継シリーズを開発した。
ULTRA SPARC+はデュアルコア化したCPUだった。
某F社はSPARC陣営で開発利用のライセンスを保有していたので京にも
 使用したのだと思う。
Sun Microsystems社が倒産して10数年、SPARCチップを久しぶりに見た気がした。
懐かしくて、つい記述してしまった。


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